青森県行政書士会・青森支部よりご依頼をいただき、2024年11月29日の研修会で、「相続放棄について」と題する講演をいたしました。

相続放棄は、被相続人が亡くなったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所で手続を行えばよいというだけではなく、関連する様々な問題が多々発生するのが通常です。

例えば、以下のような問題です。
被相続人が亡くなったことは知っていたが、生前に交流がなく特に手続は必要ないと思って何もしなかった。3か月以上経過したあとに債権者から督促状が送られてきたが、もう相続放棄をすることはできないのか?
被相続人には未払いの医療費・家賃・公共料金などがある。自分は相続放棄をする予定であるが、お世話になった人たちには迷惑を掛けたくないので、可能であれば支払いたいと思っている。しかし、自分の生活も楽ではないので、被相続人の現金・預金から支払いたいが、問題はないか?
被相続人の死亡退職金や未払いの給与は、相続放棄をする場合でも受け取れるのか?
相続人全員が相続放棄をした場合、被相続人名義の空き家は誰かが管理しなければならないのか?老朽化しており、倒壊などにより近隣の人たちに迷惑がかかるような事態は避けたいと考えているが、どのような方法があるか?
相続放棄をする予定であるが、手元に被相続人名義の自動車がある。相続放棄の手続が終わったら廃車にしようと思っているが、問題はないか?

講演では、相続放棄の基礎知識と併せて、上記のような相続放棄に関連する諸問題に重点を置いて解説いたしました。
今回の講演でお話しした内容が、ご出席された行政書士の方々の業務において、少しでも参考になれば幸いに思います。

【講演内容】
1 相続放棄とは
2 相続放棄の手続
3 相続放棄の期限
4 3か月経過後の相続放棄
5 法定単純承認事由
6 相続放棄をする場合に受け取れるものと受け取れないもの
7 受け取れないものが手元にある場合の対応